パソコンが重い原因と10の対処法

「パソコンの起動に時間がかかる」「アプリの動作が遅い」「Web会議中に画面が固まる」といった事象でお困りではないですか?
パソコンが重くなる原因は、メモリ不足やストレージ容量の圧迫、不要なアプリの常駐、端末の経年劣化などさまざまです。原因を確認せずに再起動や買い替えだけで対応すると、一時的に改善しても、同じ症状が繰り返される可能性があります。
また、パソコンが重いと業務に支障が出るだけでなく、業務の小さなストレスが重なり、生産性の低下にもつながります。
この記事では、パソコンが重くなってしまう原因、誰でも試せる応急処置、原因を特定する方法、10の対処法などについて、Windowsパソコンを対象に解説していきます。
結論:パソコンが重い原因は5つ
パソコンが重い原因は無数にあるように見えますが、実務上は次の5つに分類できます。
1. 常駐ソフトの負荷:バックグラウンドで動き続けるソフトが処理能力を食っている
2. ストレージの空き不足:データの保存領域が満杯に近づいている
3. メモリ不足:同時に作業できる容量が足りていない
4. 発熱:熱くなりすぎて、パソコンが自ら速度を落としている
5. スペックの限界・経年劣化:そもそも部品が今の仕事量に追いついていない
このうち、1〜4の原因については、無料で改善ができる可能性があります。まずは1〜4を順に確認していき、それでも改善できない場合には、スペック不足や経年劣化を疑い、原因の特定を行うのが最適です。
まず、再起動 → タスクマネージャー確認 → ブラウザのタブを閉じる
1. 再起動する
パソコンの電源を入れ直すと、動きっぱなしだった処理と一時的なデータがすべてリセットされ、それだけで元の速さに戻ることが少なくありません。
2. タスクマネージャーを開いて確認する
今どのソフトがどれだけ処理能力を使っているかが一覧で表示されます。
3. ブラウザのタブを閉じる
画面に表示していないタブも裏側でデータを読み込み続けているため、開きっぱなしのタブを閉じるだけで動作が軽くなることがあります。
この3つで改善しなければ、原因を調べていきましょう。
パソコンが重い原因の調べ方

「なんとなく重い」を「どこが重い」に変えるのが、この章の目的です。使う道具はタスクマネージャーだけです。タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで確認していきます。
CPU使用率が常時80%以上のとき
CPUは計算処理を担当する部品です。ここが常に80%を超えているなら、計算処理が追いついていない状態です。
「プロセス」タブでCPU列をクリックして並べ替えると、何の処理に負荷がかかっているかが分かります。動画編集や表計算のような重い作業中に高いのは正常ですが、何もしていないのに高いままなら確認する必要があります。ウイルス対策ソフトの定期スキャン、Windows Updateのバックグラウンド処理などが動いていることがあります。
メモリ使用率が90%以上のとき
メモリは、作業中のデータを一時的に広げておく場所です。
何も特別な作業をしていない状態でメモリ使用率が常に90%を超えるなら、メモリ不足が動作を重くしている可能性があります。
ディスク使用率が100%で張り付くとき
ディスク使用率とは、保存装置がどれだけ働いているかを示す数値です。ディスク使用率が、100%のままで動かない場合、HDDが原因になっている可能性があります。
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブでディスクを選ぶと、右上に「HDD」または「SSD」と表示されます。HDDと表示され、かつ使用率が頻繁に100%になるなら、ソフト側の対処では限界があります。
起動に2分以上かかるとき
パソコンの電源を入れてから使えるようになるまでが2分を超えるなら、スタートアップアプリを疑ってください。スタートアップアプリは、パソコンの起動と同時に自動で立ち上がるソフトのことで、多くのソフトはインストール時に登録されます。
タスクマネージャーの「スタートアップアプリ」タブを開くと、登録されているソフトと負荷が表示されますが、負荷が高いソフトがあれば、見直すのがよいでしょう。
パソコンが重い時の10の対処法
1. 再起動する
パソコンは使い続けるうちに、終了しそこねた処理や一時的なデータがメモリに積もっていきます。再起動はこれを一掃する操作です。数日間つけっぱなしにしている方は、これだけで体感が変わることがあります。
2. 不要なアプリ・タブを閉じる
とくにブラウザのタブは、開いているだけでメモリを消費し続けます。使わないタブは閉じ、後で見たいページはブックマークに保存してください。
3. スタートアップアプリを整理する
タスクマネージャーの「スタートアップアプリ」タブで、使っていないソフトを無効化します。無効化してもソフトは消えません。自動で立ち上がらなくなるだけで、必要なときは自分で起動できます。
ただし、セキュリティソフト、通信・ネットワーク関連、パソコンメーカー製のユーティリティは無効化がNGのものもあります。管理部門に確認してから無効化してください。
4. 一時ファイル・ごみ箱を削除する
ごみ箱に入れただけのファイルは、まだ保存領域を占有しています。まず「ごみ箱を空にする」を実行し、次に設定から「記憶域」を開いて一時ファイルを削除します。
5. 使っていないソフトをアンインストールする
インストールされているだけなら害は小さいのですが、多くのソフトは裏で常駐したり、自動更新のために定期的に通信したりします。1年以上起動していないソフトは、削除の候補です。会社支給のパソコンでは、業務上必要なものが含まれている可能性があるため、必ず管理部門に確認してください。
6. 電源モードを「最適なパフォーマンス」に変更する
省電力を優先する設定になっていると、パソコンは意図的に性能を抑えます。システムの設定から電源モードを変更できます。ノートパソコンをバッテリーで使う場合、稼働時間は短くなります。
7. Windows Updateを適用する
更新プログラムには、不具合の修正だけでなく性能改善が含まれることがあります。ただし注意点があります。
「今まさに重い」原因が、裏で走っている更新のダウンロードそのものである可能性があります。その場合は無理に操作せず、完了するまで待ちましょう。
8. ウイルススキャンを実行する
マルウェアに感染すると、パソコンの処理能力が本人の知らないところで使われ、常に重い状態になります。Windowsに標準搭載されているセキュリティ機能、または会社指定のセキュリティソフトでフルスキャンを実行してください。時間はかかるため、業務終了後の実行をおすすめします。
9. ブラウザの拡張機能・キャッシュを整理する
拡張機能はブラウザに後付けする追加機能ですが、一つひとつが小さなソフトとして常駐しています。「入れたことすら忘れている拡張機能」は削除の対象です。
キャッシュも、溜まりすぎると逆効果になることがあります。削除するとログイン状態が解除されるサイトがあるため、IDとパスワードを確認してから実行してください。
10. 内部のホコリを清掃する
パソコンは熱に弱く、温度が上がりすぎると自分から処理速度を落として発熱を抑えます。冷却ファンにホコリが詰まると排熱が効かなくなり、この状態が常態化します。「ファンが常に大きな音を立てている」「本体が熱い」「重いのに使用率は高くない」は、その典型的な兆候です。
デスクトップは比較的清掃しやすいのですが、ノートパソコンの分解は保証が無効になる可能性が高く、推奨しません。まずは吸気口を塞がない、平らな硬い場所に置く、といった環境改善から試してください。
メモリ増設・SSD換装で改善する?
パソコンが重いなら、メモリを増やせば改善するのでは?と考える方もいるかと思います。結論としては、メモリを増設すれば改善することもあれば、メモリを増設しても改善しないこともあります。
メモリ増設で改善するケースと改善しないケース
メモリ増設で改善するケースとしては、タスクマネージャーでメモリ使用率が90%を超えているケースや、メモリの使用率が高いケースやWeb会議などの複数の重いアプリを利用して止まってしまうケースなどがあります。ただ、メモリを増設できる余地ないと増設ができません。
一方で、メモリを増設しても改善しないケースとしては、CPUの使用率が高くCPUが原因でパソコンが重いケースやディスクの使用率が100%程度と高くHDDが原因となっているケースがあります。
また、パソコンによっては、物理的にメモリを増設できないものもありますので、自社のパソコンでメモリの後付けが可能か確認してください。
HDDからSSDへの換装で起動が速くなる
ディスク使用率100%問題の根本治療は、HDDをSSDに交換することです。HDDをSSDに換装すれば、目に見えてパソコンの動きは速くなります。
ただし、換装作業にはデータを丸ごと移し替える工程が伴い、失敗すればデータを失います。1台なら自力でも可能ですが、10台20台となると、作業時間と失敗リスクの両方が現実的な問題になります。
パソコンを入れ替えた方がよい3つのサイン

ここまでの対処法を試してみても改善しない場合、調整でパソコンの動きが改善できる段階を過ぎていることが多いです。パソコンを入れ替えた方がよいサインが出ていないか確認してみましょう。
パソコンの利用期間が5年を超えている
パソコンの法定耐用年数は4年です。この4年は税務上定められている期間であり、実際に利用できる期間ではありません。
しかし、実務上でも4年という期間は利用期間の目安になります。5年を超えたパソコンでは次のようなことが起こりやすくなります。
- 部品が劣化
- ソフトのアップデートに追いつけない
- 修理部品の供給が終わる
これらの事象が発生することで、パソコンが重くなりますし、部品不足により修理が難しくなることもあるので、4年を目安に入れ替えを検討するのがよいでしょう。
ファンが唸る・本体が熱い
パソコンは温度が上がりすぎると自ら速度を落とします。清掃と設置環境の変更で改善できるのであれば問題ありません。しかし、清掃しても改善しない発熱は、部品の劣化を示している可能性があります。
とくに次の症状は、故障が近づいているサインとして扱うべきです。
- 軽い作業をしているだけでファンが最大回転になる
- 前触れなく電源が落ちる
- 起動時に異音がする
- 特定の操作で毎回フリーズする
この段階に入ったパソコンにお金をかけて延命するのは、費用対効果が合いません。そして何より、データを失う前に手を打つのがよいでしょう。
セキュリティソフト・EDR・Teams・OneDrive同期で常時リソースが埋まっている
法人パソコンには、個人のパソコンでは導入されないソフトが導入されていることもあり、パソコンが重くなっている原因になります。
セキュリティソフト/EDR:EDRとは、端末の挙動を常に監視して不審な動きを検知する仕組みのことです。監視が仕事なので、動き続けることが正常な状態です
資産管理ソフト/情報漏えい対策ソフト:操作ログの記録、外部への持ち出し制限
Teams・Zoomなどの会議ソフト:起動していなくても常駐している場合があります
OneDrive・Google Driveなどの同期:ファイルをクラウドと突き合わせ続けます
これらはいずれも業務上必要なものであり、利用者の判断だけで停止することが難しいものです。
そのため、同じ「事務作業しかしない」パソコンでも、法人では監視・同期・暗号化といった見えない処理が常に上乗せされているのです。
パソコンを入れ替える3つの方法
パソコンを入れ替える方法としては、3つの選択肢があります。どの選択肢がよいかは、利用用途や台数などにより異なりますので、以下を参考に最適な方法をご検討ください。
新規購入する
もっとも一般的な方法が、パソコンを新規購入する方法です。多くの方がこの方法で、新しいパソコンを調達すると思いますが、いくつかデメリットもあります。
1つ目に、初期費用が一度に発生することがあります。台数が多い場合には、コストが多く発生します。
2つ目に、資産管理義務が発生します。パソコンの取得金額が10万円以上の場合には、資産として減価償却対応が必要になります。
3つ目に、廃棄までしっかり行う必要があります。企業のパソコンは通常のゴミのように捨てることができません。適切な方法で処理をする必要がありますので、ご注意ください。
リースする
リースは、リース会社が購入したパソコンを長期間借りる契約です。初期費用を抑えながら導入しやすく、毎月一定金額を支払うため、資金計画を立てやすい点がメリットです。
一方、リースは原則中途解約ができない点には注意が必要です。契約期間の途中で解約する場合、残りの期間分に相当する金額の支払いを求められることが一般的で、人員の増減が頻繁にある組織では、損してしまうかもしれません。
レンタルする
レンタルは、必要な期間パソコンをレンタルする方法です。リースとの違いは、期間の柔軟性です。
1台単位で、短期間のレンタルも可能ですし、一般的には自社の固定資産として保有しないため、減価償却といった処理も必要ありません。リース同様に初期費用も抑えながら、利用を開始できる点もメリットです。
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